リーガル・
アップデート
欧州連合(EU)のオーストリアに対する侵害訴訟手続き
2019年、欧州連合は、EU法への違反を告発する者の保護に関する指令を制定した。この指令は、マネーロンダリングや法人税法への違反などに対する告発について扱うもので、原則として、EU加盟国には、2021年12月17日までに内部告発者の保護に関する国内法を施行することが義務付けられていた。未だこれに関する国内法を施行していないオーストリアに対し、欧州委員会が侵害訴訟手続きを開始した。
2022年2月16日
返済猶予期間中の引き落とし金利の返還
パンデミックによって失業した消費者や短時間勤務に従事する消費者を経済的に救済するため、2020年の初めに消費者信用契約に関する分割支払いの法的な猶予が決定した(cf. Section 2 2nd COVID-19-Justice Accompanying Act)。それにもかかわらず、一部の銀行は猶予期間中も顧客に引き落とし金利を請求し続けた。その後、消費者情報センターが、このような行為に対して訴訟を起こした。この訴訟は、オーストリア最高裁判所(OGH)により支持された。裁判所は、返済猶予期間中の消費者の負担はないはず、との見解を示した。銀行は今後、3ヶ月以内に過払いの金利を返還する必要がある。(3Ob189/21x)
2022年2月2日
カバードボンド法の改正
2022年7月8日付で、EUのカバードボンド指令(EU-CB-Directive)実施のための、オーストリアの新しいカバードボンド法(PfandBG)が発効される。新しい改正は、オーストリアのカバードボンド市場の魅力を高め、EU域内の競争の歪みを解消することを目的とし、また、現在オーストリア内の様々な規定(HypoBG、PfandbriefG、FBSchVG)に分散しているカバードボンドに関する規制も統一される。この改正で、認可を受けた信用機関が、あらゆる形態のカバードボンドを発行できるようになることも注目すべき点である。(Federal Law Gazette I No. 199/2021)
2022年1月18日
銀行の顧客に対して国家は賠償責任を負わない
オーストリアの憲法裁判所は、破綻した銀行の顧客が被った損害が当局の不十分な監督によって引き起こされた場合でも、オーストリア共和国はその損害に対して責任を負わないという判決を下した。Commerzialbank Mattersburg (コメルツィアルバンク・マタースブルク) の顧客約30人が、オーストリア連邦政府に対して損害賠償を請求していた。しかし、問題となった法律の関連規定は合憲であると判断された。オーストリアの憲法裁判所によれば、銀行の規制と監督は、金融市場の機能を守ることを目的としており、個人投資家を守ることを目的としていない。(Constitutional Court of 16.12.2021, file G 224/2021 et al.)
2022年1月7日
固定費手当(Fixkostenzuschuss)を家主に渡す必要はない
最近の判決で、オーストリアの民事最高裁判所(OGH)は、新型コロナウィルス感染症のパンデミックが原因でビジネスにおける家賃滞納が発生した場合、借り手が国から受けている固定費手当(Fixkostenzuschuss)を家主に渡す必要があるかどうかの問題について取り扱った。民事最高裁判所(OGH)によれば、固定費手当は、パンデミックにより影響を受けているビジネスの支払能力および資金の流動性を維持するためのものであり、賃料の損失を相殺するためのものではない。それどころか、固定費手当の受給には、損害を最小限にする義務があるため、家主に賃料の減額を要求する義務さえある。(3 Ob 184/21m)
2021年12月22日