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有限会社(GmbH)の資本調達要件を回避するため、オーストリアの企業は英国で有限会社(LLC)を設立するのが一般的であった。数ユーロでLLCを設立すると、オーストリアにその支店を設立した。そして、主な事業はその支店を通じて行われていた。ブレグジットにより、このオプションは現在停止されている。さらに、オーストリア最高裁(OGH)は最近、既存のLLCオーストリア支店を民法上の会社(Gesellschaften bürgerlichen Rechts)と見なすことを認めた。従って、株主は、これらの支店の負債に対して個人的に責任を負うことになる。(9Ob74/21d)

その活動のほとんどを法定後見人として行っていたある弁護士が、そのサービス料金に対する付加価値税免除の申請を行った。最高行政裁判所によれば、欧州司法裁判所の判例法に従い、その法定後見人の活動が「社会福祉及び社会保障と密接な関係があること」、「公法に基づく団体又は社会的性格を有すると加盟国が認めた団体により提供されていること」などが条件であるとした。事実、その法廷後見人としての活動は、これらの基準のいくつかを満たしていた。しかし、最高行政裁判所が判断を下すために必要な全ての調査を下級審が行っていなかった。最高行政裁判所は、下級審が、以前にも他の似たケースで付加価値税免除が認められていたかどうかを調査する必要があるとし、財政中立の原則を守るため、争われた決定を差し戻した(Ra 2019/13/0025)。

最近の判決で、オーストリアの最高裁判所は、建築貯蓄契約における契約条項について扱った。これらの契約は、原則として6年の期間で締結され、口座管理手数料は、暦年の開始ごとに請求されていた。手数料支払いにおける合意された期間が守られなかったり、貯蓄金の支払いが全額行われなかったりした場合には、契約金額の0.5%の管理費が課され、利息は当初の0.5%に戻されていた。しかし、このような条項は許容されない。(8 Ob 125/21x)

キャッシュバリュー型生命保険に加入する際、保険会社には情報提供の義務がある。情報提供の義務に違反があった場合は、保険契約者は何年経った後でも、保険会社から支払った金額の返金を要求することができる。保険会社に不利なこの慣習を止めるため、2018年に法律が改正された。新しいルールの下では、契約締結から5年後以降は、解約払い戻し金のみを受け取ることが出来るというものである。最近になって、オーストリアの最高裁判所がこの新しいルールの違法性を認めた。理由は、締結から5年後以降の契約の撤回と、単なる契約の解約の法的結果が同じになるからである(sec 176 para 1 VersVG)。 従って、従来の判例法が引き続き適用され、義務に違反があった場合には、契約は、不当利得返還の権利を基に、引き続き撤回されることができる。 (7Ob185/21p)

SWIFT(国際銀行間通信協会)は、ベルギーに本拠を置く有限責任事業組合であり、世界中の参加銀行が安全かつ迅速に支払い処理ができるよう、共通のプロセスや標準を策定している。ロシアのウクライナ攻撃の結果、欧州理事会は規制により、ロシアの一部銀行をSWIFTシステムから除外した。そのため、ロシアへの、そして、ロシアからの支払いは大幅に制限される。国際的な代替手段はないが、近年、ロシアは独自の決済システム、例えばSPFSやMirを開発済みである。(ABl 2022 L 063)