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その母親がオーストリア国籍である未成年のイタリア人女性が、オーストリア国籍を申請した。該当する規定 (§12 Abs1 Z3 StbG) では、申請者が未成年であることが必須条件であった。国籍申請の手続中に、申請者が成人したため、その申請は却下された。オーストリア憲法裁判所は、これが平等の原則に違反しているとの判決を下し、申請が許可されるかどうかが、偶然または操作的な状況に依存してはならならず、法的請求がその行政手続にかかる時間に影響されるべきではないとの判断を下した。 (VfGH vom 01.07.2022 zu GZ E3398/2021)

あるローンの借り手は、2004年に被告側銀行で外貨建てローンを借りた。借り手がローンの解約・取消を訴えたのは2018年になってからである。借り手は、為替レートが決定されていないこと等を根拠にローンの解約・取消を訴えた。オーストリアの最高裁(OGH)はローンの解約はできないとの判断を下した。継続的な契約の無効性を主張する場合は、適時に契約相手にその旨を伝える必要がある。しかし、借り手は18年間、銀行から口座明細書と年次報告書を受け取っていたにも関わらず、それに対して異議を申し立てていなかった。(4Ob208/21y)

有限会社(GmbH)の資本調達要件を回避するため、オーストリアの企業は英国で有限会社(LLC)を設立するのが一般的であった。数ユーロでLLCを設立すると、オーストリアにその支店を設立した。そして、主な事業はその支店を通じて行われていた。ブレグジットにより、このオプションは現在停止されている。さらに、オーストリア最高裁(OGH)は最近、既存のLLCオーストリア支店を民法上の会社(Gesellschaften bürgerlichen Rechts)と見なすことを認めた。従って、株主は、これらの支店の負債に対して個人的に責任を負うことになる。(9Ob74/21d)

その活動のほとんどを法定後見人として行っていたある弁護士が、そのサービス料金に対する付加価値税免除の申請を行った。最高行政裁判所によれば、欧州司法裁判所の判例法に従い、その法定後見人の活動が「社会福祉及び社会保障と密接な関係があること」、「公法に基づく団体又は社会的性格を有すると加盟国が認めた団体により提供されていること」などが条件であるとした。事実、その法廷後見人としての活動は、これらの基準のいくつかを満たしていた。しかし、最高行政裁判所が判断を下すために必要な全ての調査を下級審が行っていなかった。最高行政裁判所は、下級審が、以前にも他の似たケースで付加価値税免除が認められていたかどうかを調査する必要があるとし、財政中立の原則を守るため、争われた決定を差し戻した(Ra 2019/13/0025)。

最近の判決で、オーストリアの最高裁判所は、建築貯蓄契約における契約条項について扱った。これらの契約は、原則として6年の期間で締結され、口座管理手数料は、暦年の開始ごとに請求されていた。手数料支払いにおける合意された期間が守られなかったり、貯蓄金の支払いが全額行われなかったりした場合には、契約金額の0.5%の管理費が課され、利息は当初の0.5%に戻されていた。しかし、このような条項は許容されない。(8 Ob 125/21x)